[番外編]親がNTT代理店のひかり電話詐欺にひっかかった

実家の親がNTT代理店の詐欺まがいの電話にひっかかり、不要な契約をさせられていたという話。(2018/11/01)

背景

我が家(実家)は日本がインターネットブームに沸く直前くらいの1996年からインターネットを利用していた。
当時、アナログの電話回線にテレホーダイという王道の契約をしていたのだが、電話が常時通話中になってしまうという欠点があった。
そこでアナログ回線からISDN回線に切り替えると電話が2回線分になり通話中問題がなくなるうえ、かつ通信速度もあがるというおまけ付きで、ISDNに切り替えるのが当時のヘビーユーザーのトレンドだったと記憶している。

時代は流れ、ADSL→Bフレッツとインターネット用の回線は変遷してきたが、電話の回線はISDNのままになっていた。
(インターネット用の回線は、ADSLのあたりから電話の名義とは分けて個別にひいている)

予兆

親の話によれば、以前から「光電話にしませんか」といったセールスの電話はちょくちょく来ていたらしい。
しかし、ここ最近はNTT(と名乗っているだけの業者)から「使っている電話サービスがなくなるので光に切り替えてほしい」という電話に変わったとのこと。
時代の趨勢でISDNのサービスが終了を迎えるという話は報道でもすでに見聞きしているので、「使っている電話サービス」がいずれはなくなるというのは間違いではない。が、あと1年とか そういった短いスパンではなく、2018年現在の報道では2024年にサービス終了予定と言われているようだ。
だからそんなに急いで切り替える必要もなく、かといってサービス終了するのは事実なので、もし本当に(本物の)NTTがそういう案内をしているのであれば、自分がいるときにかけ直してもらえるよう親には伝えておいた(はずだった)。

親が急に部屋を片付け始める

ここ数日になって、親が電話機周りを急に片付け始めた。
片付けること自体は別に珍しいことではないのだが、片付け方がいつもより丁寧というか他人の目を意識しているように見えた。
ふと気になって理由を聞いてみたら「2日後にNTTが工事にくる」という。
なんの工事かと思ったら、「『電話の回線が古いので光に変えてもらっている』と言われ、工事無料だというので申し込んだ」とのこと。
どこかで聞いたことのあるフレーズだと思ったらこれだった。

「固定電話のIP網移行に便乗した悪質な販売行為にご注意ください」
http://www.ntt-east.co.jp/info/detail/171017_01.html

NTTからはすでに開通通知が送られてきているのだが、同封されている書面に記載の契約内容もいろいろおかしい。
契約書を見ると、申し込みプランが「安心プラン」(月額1400円)にナンバーディスプレイ(月額400円)を追加することになっている。
しかし、契約プランや月々の料金について説明を受けていないという。光電話に切り替え後の月額がいくらになるのか知らなかったくらいだ。現在より上がる下がる含めてそもそも金額が変わるという認識がない
ナンバーディスプレイは現在も使用しているので付加するのは正しい判断だが、プランのチョイスの理由がわからない。

この「安心プラン」は、オプション機能がすべて別料金の代わりに8時間分の無料通話が付いてくるプランらしい。
しかしながら実家の電話なんて、毎月の通話料分は下手すれば100円に満たないというのに、こんなに無料通話を付けても仕方がない。
普通に考えれば「基本」(月額500円)とナンバーディスプレイ(月額400円)、あるいは「ひかり電話A」(月額1500円、無料通話3時間とナンバーディスプレイ等各種オプション込み)でいいはず。
一番高い「もっと安心プラン」(月額3900円、無料通話30時間、オプション一切なし)にされなかっただけマシではあるが、実情を踏まえていないし何も説明しなかったとしか思えない。

解約を試みる

さすがにこの契約は納得がいかないのでWebで事例を調べると、工事前のキャンセルなら費用も必要ないとのこと。
逆に工事が済んでしまったら、契約が成立したということで経緯がどうあれ解約するには工事費用や事務手続きの費用が発生するらしい。今回はぎりぎり間に合ったわけだ。
とりあえずNTTも代理店も9:00からということで、9:00になるのを待ってさっそく電話する。
電話するなら代理店ではなくNTTのほうが良いとのことで、NTTの契約窓口(0120-116116)に電話する。

(こちら):高齢の親が代理店さんの不誠実な営業で光電話の契約をしてしまったので、至急キャンセルしてほしいのですが。
(NTT契約窓口):そういうことでしたらすべての手続きは代理店さん経由になります。
(こちら):え?契約書類はNTTさんから来てますけど。それに、高齢者に不誠実な説明で契約させるような代理店さんですが大丈夫なんですか?
(NTT契約窓口):すべての手続きは代理店さん経由になります。
(こちら):今からじゃ間に合わないとか理由つけて工事されちゃったら契約成立しちゃうんですよね?
(NTT契約窓口):そうなんですが、すべての手続きは代理店さん経由になります。
(こちら):あっそう。。。

さすが不誠実な代理店を使って不誠実な営業をしている契約窓口だけあって、対応も素晴らしく不誠実。
仕方がないので、契約書に記載のある代理店「株式会社ITサポート」の窓口として記載されている電話番号(0800-700-5945)に電話する。

(こちら):高齢の両親が訳も分からないまま光電話の契約をしてしまったようなのでキャンセルしたいんですが。
(代理店):それでしたら部署が違うので直接そちらにかけ直してください。
(こちら):いやいやいや、契約書に問い合わせ先の電話番号として、この番号が載っているからかけたんですが。
(代理店):えー、でも部署が違うんでー
(こちら):あっそう。。。

嫌な予感がしつつ、言われた番号(0120-948-714)に電話する。
(こちら):(20コールくらい待つ)・・・ブツッ。プープープー。
出ないで切りやがった。フリーダイヤルの番号でこの対応は初めての体験だ。一応操作ミスの可能性もあるのでもう1回かける。
(こちら):(20コールくらい待つ)・・・ブツッ。プープープー。

あきらめて先ほどの代理店の代表番号に再度電話。

(こちら):先ほど教えられた別部署とやらの番号に電話かけても誰も出ませんけど。
(代理店):あー、部署ごとに営業時間が違うんでー
(こちら):はぁ、それでその部署の営業時間は何時からなんですかね?
(代理店):確認しますので少々お待ちください。・・・・・・・・・。9時から19時ですね〜
(こちら):今何時でしたっけ。(時計は9:13を指している)
(代理店):あー・・・・・。こちらから連絡して折り返すようにします。
(こちら):大至急で頼みます。

10分待っても折り返しが来る気配ないので、NTT方面からできることを考える。
代理店の番号のすぐ下に、「NTT代理店営業お問合せセンター(0120-841-601)」というのが載っている。
こんなものが代理店番号の直下に記載されているあたり、なんとなく日頃どんなことが起きているか想像に難くない。
とりあえず待っている間に代理店への苦情だけでも伝えてやろうと、この窓口に電話する。

(こちら):高齢の親が代理店さんの不誠実な営業で光電話の契約をしてしまったので、至急キャンセルしてほしいのですが。
(NTT代理店問い合わせ窓口):そういうことでしたら、工事の窓口に電話していただければキャンセルできます。
(こちら):(はぁ?すべて代理店じゃなきゃきゃキャンセルできないじゃなかったか?)そうですか。とりあえず番号教えてください。
(NTT代理店問い合わせ窓口):番号はxxxxxxです。この窓口は営業時間が10時からになります。ちなみに確認なんですが、○○さまがお父様で△△様がお母様でいらっしゃいますでしょうか
(こちら):そうですが何か。
(NTT代理店問い合わせ窓口):電話番号で確認しましたところ、お父様名義で明日工事をする回線のほかに、お母様名義でももう1回線工事の予約が入っておりますね。
(こちら):はぁああ?じゃあ、2本分工事する契約になっているということですか?
(NTT代理店問い合わせ窓口):そうですね。お父様名義のほうが明日工事、お母様の契約のほうは工事日未調整になっていますのでこれからということになりますね。
(こちら):そうですか。キャンセルはどうすれば?
(NTT代理店問い合わせ窓口):先ほどの工事の窓口に電話していただいて、電話番号などを伝えていただければ、両方キャンセルできるはずです。
(こちら):わかりました。ありがとうございます。

あかん、これはやばい奴や。ということで、10時まで待って教えてもらったNTTの工事窓口(0120-500-171)に電話する。

(こちら):親が代理店さんの不誠実な営業で光電話の契約をしてしまったのですが、明日工事予定ということで、至急キャンセルしてほしいのですが。名義は〜、番号は〜
(NTT工事窓口):わかりました。明日の工事をキャンセルですね。
(こちら):それと先ほどNTT代理店問い合わせ窓口で、父母それぞれの名義で2件契約されているという話だったのですが。
(NTT工事窓口):電話番号で検索してもこちらでは出てきません。
(こちら):そうですか。じゃぁ、2件目分の調整の電話か開通通知の紙が来たらあらためてキャンセルの手続きをすればいいですか?
(NTT工事窓口):そうですね。
(こちら):わかりました。ありがとうございます。

ここらへんでようやく代理店(の別部署?)からの折り返し着信が来た。最初に電話してから1時間経ってるんですがね。

(こちら):親が代理店さんの不誠実な営業で光電話の契約をしてしまったので、至急キャンセルしてほしかったのですが、そちらに連絡がつかなかったのでNTTさんに直接電話してキャンセルしてもらいましたよ。
(代理店):こちらとしてはISDNがなくなるとかそういったことは一切言っていませんしー※☆△・・・・・・・(息もつかさず怒涛の一方的反論)」
(こちら):ちょっとしゃべらせてもらってもいいですか。とりあえず親はそう言われたと言っていますので、私は親を信じます。そもそもプランや料金について説明してませんよね?
(代理店):こちらとしては料金その他についてはすべて説明しておりますが※☆△・・・・・・・(息もつかさず怒涛の一方的反論)」
(こちら):ちょっとしゃべらせてもらってもいいですか。とりあえず親は全然料金について説明されていないと言っているので、私は親を信じます。
(代理店):ご理解いただけなかったことについては当方としても※☆△・・・・・・・(息もつかさず怒涛の一方的半ギレ謝罪)」
(こちら):ちょっとしゃべらせてもらってもいいですか。とにかく解約しましたので。それと、もう2度と営業の電話かけてこないようにしてもらっていいですか
(代理店):あー、そういう風にはできるんでこちらとしても※☆△・・・・・・・(息もつかさず怒涛の一方的な何か)」
(こちら):とりあえずそういうことですんで。はいどうも。

とりあえずこれでいったんはキャンセルできたようだ。
最初のNTTの契約窓口で、工事窓口でキャンセルできると言ってくれれば無駄な時間使わずに済んだのだが。
というか、もし本当にこんな対応の代理店経由でないとキャンセルできないなら、明日に迫る工事をキャンセルできたのかはなはだ疑問である。

結論

不誠実なNTT代理店の口車に乗せられて光電話を契約させられてしまっても、工事前ならNTTの工事窓口に電話すればキャンセルできる。
NTTの契約窓口は基本的に役立たず。
テレアポしてくるNTT代理店は基本クソ。